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ホーム > ようこそ知事室へ > 記者会見 > 2019年8月23日(金)

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知事記者会見

2019年8月23日(金)


知事発表:2019年 日米カウンシル知事会議出席、静岡県・浙江省友好交流卓球大会の開催、東京2020パラリンピック開催1年前
幹事社質問:リニア中央新幹線、駿河湾フェリー
幹事社質問:リニア中央新幹線
幹事社質問:リニア中央新幹線
幹事社質問:リニア中央新幹線
記者質問:静岡市清水庁舎の移転
記者質問:日韓関係、中部横断自動車道
記者質問:日韓関係

知事発表:2019年 日米カウンシル知事会議出席、静岡県・浙江省友好交流卓球大会の開催、東京2020パラリンピック開催1年前

(知事)

 はいどうも、うっとうしい季節でして、なりましたが、今日の花は紫がデンファレ、青がリンドウですね。黄色いユリ、白これトルコギキョウですね。それから、かすみ草。それから、アレカヤシですね。

 さて、発表項目は三つでございます。まず、2019年日米カウンシル知事会議に出席する件でございます。

2019年 日米カウンシル知事会議出席

 8月25日の日曜日から29日の木曜日まで、私はアメリカカリフォルニア州シリコンバレーで開催される、日米カウンシル知事会議に出席をいたします。

 この会議では日米カウンシル、U.S.−JAPAN COUNCILというのが正式タイトルですけれども、これが主催するものでございまして、スタンフォード大学のダニエル・オキモト名誉教授の呼び掛けで始まったものであります。

 日米両国の地域レベルの経済交流を促進する取り組みの一環として、日本側参加県は、本県のほか、広島県、福岡県、大分県、岡山県、長野県と、そしてまた、日米カウンシルが仲介される米国の州との経済交流の可能性について、トップ同士の意見交換を行い、会議後の具体的な交流へとつなげることを目的としております。

 今回の会議では、本県が推進するファルマバレープロジェクトや、社会健康医学といったヘルスケア関連のパネルディスカッションに参加いたします。

 また、県内企業とシリコンバレー企業とのビジネスネットワーキングの機会も設けまして、日米の企業間の連携も支援してまいります。また、日系アメリカ人をはじめとしたさまざまな分野のリーダーが集う場でもございますので、本県の富士山をはじめとする世界クラスの資源、人材群や活発な経済活動について情報発信をいたします。

 本県出身の池野文昭先生、スタンフォード大学の循環器科主任研究員でもあり、かつ、医療機器分野での起業家、業を起こす方の起業家ですね、養成講座の講師もされている方ですが、池野先生と、医療先進国である米国の状況について意見交換も行う予定をしております。

 今後の本県の施策展開に、これをつなげてまいりたいと考えております。この取り組みを通じまして、県民の皆さまや、県内企業が多くの恩恵を享受できるように、人をつくり、富をつくり、平和を築く地域外交を展開してまいります。

静岡県・浙江省友好交流卓球大会の開催

 二つ目の発表項目でありますが、静岡県と浙江省の友好交流卓球大会についてであります。

 本県が長年友好提携をしております中国浙江省とのスポーツを通じた交流を目的としまして、8月27日の火曜日に、中国浙江省のハンジョウ、杭州市にて「静岡県浙江省友好交流卓球大会」が開催され、官民協働でこれに参加をするということでございます。

 この大会は、平成24年、2012年ですね、友好提携30周年の年でございましたが、秋に、尖閣諸島問題が浮上しまして、日中関係が冷え切ったときでありましたけれども、その年の暮れに私、あえて訪問をいたしまして、当時、書記が夏宝龍(かほうりゅう)さん、それから代省長が李強(りきょう)さんでありましたけれども、卓球をやりませんかというふうに提案をして、向こうは驚かれたわけですけれども、何しろお家芸の卓球ですから、ぜひやろうということになりまして、それが、準備をして平成26年、27年、そして29年とそれぞれ本県と浙江省で、相互に開催されてきまして、今回が4回目でございます。

 これをもって一応最終回にしようかなということで、両県省で合意をしております。

 浙江省との友好提携37周年目に当たる今年の大会は、青少年を対象として、杭州市にある、浙江樹人(じゅじん)、樹木の樹に人と書きまして、樹人大学体育館におきまして、本県の小学生中学生高校生24人の精鋭選手が、浙江省の青少年48人と熱い戦いを繰り広げるということでございます。

 この大会に合わせまして、8月25日、日曜日から28日の水曜まで、吉林副知事が本県団の団長として浙江省を訪問いたします。

 もとより吉林副知事は、中高大学と野球で鳴らし、これを今度は卓球のラケットに持ち替えまして、副知事室で、昼夜を問わずというと言い過ぎですけれども、練習に練習を重ねておられまして、向こうでは、それをお聞きになったかどうか、バルセロナで金メダルを取られたと確か聞いておりますが、呂林(ろりん)選手ですね、浙江省の。非常に立派な方でございますけれども、この方とモデル試合をするというふうに聞いております。

 私も呂林先生とモデル試合やって、そのときは遇遇そうなったんですけれども、どんどんどんどんラリーが続くんですね。どういう所に打っても、必ず打ちやすい所に返してくるから。そうすると、何かオリンピック選手と対抗できるぐらいの腕前を持ってるんだという誤解が生じまして、そうしたことが今回も起こるんじゃないかということで、吉林副知事が、そうした友好に貢献されるということでございます。

 これまで実施した3回の大会では、合わせて本県選手が393人、浙江省の選手は275人と大勢が参加しておりまして、大きな民間交流の輪が生まれてまいりました。

 この大会を通じまして、本県から選抜された選手たちには、卓球の、いわば本場である中国での経験を積んで、技術の向上を図っていただくとともに、浙江省の青少年と友好を深めてもらいまして、両県省の将来の交流促進につながればいいなというふうに強く期待しているところであります。

東京2020パラリンピック開催1年前

 三つ目の発表項目でありますが、東京2020パラリンピック開催1年前イベントについてであります。

 8月25日日曜日は、東京2020パラリンピック開会式の1年前となります。それに合わせまして、パラリンピック1年前イベントin静岡と題しまして、このイベントを清水総合運動場体育館において開催いたします。

 車いすラグビー、車いすバスケットボール、ボッチャの選手も大勢参加し、東京2020パラリンピックに向けての決意表明、あるいは車いすラグビー日本代表選手による模範試合、パラサイクリングをはじめとした体験会も行います。日本車いすラグビー連盟、静岡県車いすバスケットボールクラブ、静岡ボッチャ協会にご協力をいただきます。

 さまざまなパラスポーツを体験することで、パラスポーツへのご理解を深めていただきたいと思います。併せて、参加選手にはパラリンピック出場に向けて、ぜひとも声援を送っていただければと思う次第であります。

 また9月4日水曜日ですけれども、ホテルセンチュリー静岡で、特別講演会を開催いたします。東京2020大会組織委員会理事の参議院議員、橋本聖子先生にごあいさつをいただきまして、パラリンピアンやオリンピアンによる講演や座談会を行い、パラリンピックへの理解とパラスポーツ振興に向けた機運を醸成いたします。

 開催まであと1年ということでございまして、パラリンピック大会の成功に向けて、万全の対応を図ってまいりたいと思っております。

 私の方からの発表は以上であります。




幹事社質問:リニア中央新幹線、駿河湾フェリー

(幹事社)

 ありがとうございます。発表項目に関して質問のある方、よろしくお願いします。

 それでは幹事社質問の方に移らせていただきます。質問二つあります。

 一つ目が、リニア工事に伴う大井川の流量減少問題に関して、県環境保全連絡会議専門部会の意見交換会が、20日と21日に開かれました。JR側の意向等について知事の受け止めをお聞かせください。

 続けて、駿河湾フェリーに関して、7月の利用人数が前年比で3割減と大きく落ち込みました。8月も欠航が相次ぎ厳しい状況となっています。8月の現状と、今後のてこ入れに関してのお考えを教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

(知事)

リニア中央新幹線

 まず最初の質問ですけれども、20日、21日の専門部会の委員の皆さま方とJR東海の担当者との意見交換会というのは、これは中間意見書に対して回答案なるものが返ってきたのでありますけれども、基本的にこれが回答になっていないと。どうして回答になっていないのかという、JR東海からの意向が示されましたので、ぜひ委員の方々と個別に会って、意見交換をしたいということだったんですね。そして、それは個別に会うということになると、また、どういうことが話されたのか分かりませんので、ぜひオープンでやってくださいということを私の方から提案いたしまして、それが受け入れられて、専門部会の委員の先生方と、JR東海の担当者とが個別に話し合う機会というのが20日、21日ということでございます。

 私は、オープンにされたこの専門部会の委員の皆さまと、JR東海との担当者との会見といいますか意見交換会に、早速国交省の、鉄道局の森防災対策室長さんがご出席くださって、オブザーバーとして、国が関与してるという姿勢を示してくださったことを、大変ありがたく思っております。専門部会が開かれたときに来ていただければというぐらいに思ってたんですけども、できればこの意見交換会の席にもお越しいただければと、ひそかに願っていたところ、それが実現したということが非常に大きかったと思います。そしてまた、その後ぶら下がりもあったと存じますけれども、もちろんこれオープンでされているので、誰にでも、感想同じだったと思いますけれども、科学的エビデンスに基づいたやりとりが行われているということを、国交省の森室長さんもお持ちになったと、そういう感想をお持ちになったということで、こういうやりとりがいかにいわば私意性を廃したものになったのかということでありますね。そしてまた、このやりとりは、報告を受けておりますけれども、真摯(しんし)なやりとりであったということで、1年ほど前、初めて会ったときには、向こうが質問の意味が分からないようなことで、何をこれ、意見交換にならないんじゃないかっていうところから始まったのが、大きく前進したという意見を委員の先生方もお持ちになったみたいで、大きな前進だったんじゃないかというふうに思っております。これを受けまして、29日に利水者の皆さま方にご説明をいたします。そうした結果もJR東海さんの方にお伝えいたしまして、遠からぬ将来にJR東海さんの方から、中間意見書に対する正式の回答書が来るということで、これに期待をしているということであります。

駿河湾フェリー

 二つ目のご質問、駿河湾フェリー、これが7月、8月と大きく落ち込んだと。誠に残念に思っておりますが、7月は何しろ7月の末まで長梅雨で、なかなか梅雨が明けないということで、天候不順ということによるかと存じます。それからこの8月の方は、ちょうどお盆のときに、連続8日間の欠航になったんですね。8月9日から16日と、まさにこのお盆の真っ最中8日間にわたり、全便欠航にせざるをえなかったということでございます。そうしたことで、8月の利用状況は、前年同月を大きく割り込むということで、大変厳しい状況であると認識しているところであります。今後てこ入れの方法でございますけれども、秋の行楽シーズン以降の利用者獲得に向けて、県はもとより、3市3町、環駿河湾観光交流活性化協議会、駿河湾フェリー応援隊にも、自ら行動を起こしてくださるように働きかけを行っているところです。関係者総がかりで広く県民の皆さまにも呼び掛け、フェリーの利用拡大の取り組みに、全力で取り組んでまいりたいと思っております。また、静岡DCを通じて、認知度が向上した関西方面などでの営業活動を強化します。新規需要の開拓に取り組みまして、船内売店におきましても、ふじのくに新商品セレクションで受賞した商品の取り扱いの開始、また、船上での音楽イベントの開催など、船自体の魅力向上も図ってまいりたいと思いますので、県民の皆さんもぜひご乗船賜りたいと思っております。私はもう一つ、山梨県、海なし県でもありますので、中部横断自動車道、ほぼ開通というか、富沢から下部温泉早川の所までは除いてできておりますので、非常に簡単に行き来できるようになりますので、今まで山梨県には、清水港のポートセールスと、つまり、荷物を運んでくださいっていうことで言ってたんですけれども、ぜひ、フェリーはすごく楽しいですよという、そういう売り込みも、山梨県に行くたびにやっていきたいなというふうに思ってるところであります。差し当たって以上であります。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(幹事社)

 ありがとうございます。リニアについて1点教えていただければ。国交省の鉄道局の方が意見交換会に立ち会ったことによる、JR側の何か姿勢だったり、そういったものの変化など、どういうふうに感じておられますでしょう。

(知事)

 はい。これは専門の委員の先生が、本格的な意見交換になったと、ただし、「適切に対応します」などの記載が多く、内容に具体性がないという指摘を受けてのものだったわけでございますが、具体化した話が出てきたと。そのうちの一つ、例えば、トンネルの湧水の全量は戻すという約束をつい最近なさったわけですね。そして、そうしたことで、委員の先生も私ども利水者も認識を持ってたわけですけれども、両側から掘り進んでいくと。そうすると、長野県、あるいは山梨県にトンネルの湧水が流出すると。やむを得ないとおっしゃったので、これはとんでもない話だということでございまして、こうしたやりとりも、室長さんも聞いておられて、掘り進んでいけば、何しろ低い所から高い所へ掘り進んでいくわけですから、水が流れてくるの当たり前で、やがてポンプを設置して、そして下流のものを戻すということだったんですが、掘り進んでしまえば全部出てしまうんじゃないですか。そこで破砕帯でもぶつかれば、一気に水がものすごい上の圧力がございますので、大変危険ですよね、工事してる人に。事故にもなりかねないというふうに思っておりまして、この湧水は全部戻すということについて、はじめからこういう形で、具体的な問題、つまりそれに対する対策がないということが、私だって分かったということもございました。

 ですから具体的な問題について、どうするんですかと。どうすることもできない、流す。流すだけだというのが今のところでありますけれども、いずれこの湧水を全量戻すというお約束を、技術的にどのように果たされていくのかというのが、差し当たって、大きな流量の問題というのがございますので、次の回答にどのような記述がなされるのか、関心を持ってるところであります。これもその成果だと思いますね。具体的な技術の問題について、きちっと答えざるを得ないと、第三者が見てくださってるので。

(幹事社)

 ありがとうございます。各社、幹事社質問に関して質問ある方お願いします。

(記者)

 先ほどのトンネル、両県境から持っていって水が漏れるという話なんですけれども、JR側は、これまで同様の趣旨のことは説明していたはずだというふうにおっしゃってるんですけれども、知事はそのへん、どういうふうに認識してらっしゃいますか。

(知事)

 全量戻すということでしたからね。その場にいた難波副知事、全体これ仕切ってこられたわけですね。全て会議に出席されておりまして、即、そんなことは、不規則発言っていうか、これを撤回してくださいと言われたと報告聞いてますけれども、それと同じ反応ですね。

(記者)

 確かに、いろいろ資料読み返してみたんですけれども、確かに戻せないというような趣旨のことは、ストレートには言っていないと私自身も認識してまして、確かに難しいとか、漏れ出てしまうというような趣旨のことは表現されてるかと思うんですけれども、知事としては、そういう難しい、この県境から漏れ出る水についてはどういう手当てがされるものだと認識してらっしゃるんでしょうか。

(知事)

 ポンプアップで戻すということ、それしか知らなかったですね。ですから、全量ポンプアップで戻しますと、ポンプの稼働を増やしますということだったんですよね。ですから、技術的にそれがどのように具体化されるのかということだったわけですけれども、一つ明らかになった畑薙断層というのが出てきたってことですね。畑薙断層、すなわち文字どおり、山梨県と静岡県との県境のとこにあって、記者さんが行かれたどうか、畑薙橋っていうのがありますでしょ。そこを越えてすぐのところに、左岸の方に赤崩というのがあります。あれもいわば畑薙断層の一環ですよね。その途中から水が湧き出てきてます。ちょうど白糸の滝みたいな形で、だからその断層の中に水脈があって、それが出てきて大井川に注いでるということなんでしょう。だから、そこにいわゆる帯水層みたいのがあるということは十分に予想されるわけですね。そうしたところにぶつかると、一気に水が放出されるということです。非常に危険でありますよね、いきなり出てきたら。ですからそういうことも分かったということで、それに対する対策がとられなくてはならないと思いますけれども、目下のところないということが分かったということです。

 差し当たっては、担当の技術者はほかにもいらっしゃると思いますけれども、何らかの技術的な対応が迫られている問題ではないかと思います。こうした帯水層は、何しろこのフィリピン海プレートとあれユーラシア大陸プレートですか、それがぶつかってるところですからね、あの辺ところはもう見たら分かりますけれども、非常に脆弱(ぜいじゃく)な地質であるので、まずこうしたところの対策をきちっと最初にとらないと、出っ放しということになって、戻りませんからね。そういう意味では、今回、いきなり技術的な大きな課題に直面したなという感想です。

(記者)

 JRさんの場合、全量戻すという約束はしているけれども、ただその県境でトンネルがつながるまでの間というのは、その限りではないようなことをこの前の囲みでおっしゃってたんですけれども、知事の中では全量戻すという約束は、どこからどこまで適用されると。

(知事)

 もちろん長野県内、あるいは静岡県内全てです。静岡県内全てトンネルですからね。ですから、静岡県、山梨県を越えたところから長野県に入る所まで、ここまでが全部で、両側に下っていきますからね、水は高い所から低い所へ流れますから、全部流れて、そしてトンネルが掘られて、そこで出てくる水を戻すんだっていうのは、そのトンネルに出てきた湧水を戻すことと違いますから。ですから、掘って出てくる湧水は全部戻すということが、全量戻すっていうことの中身なので、全部戻すという約束は、技術的課題、技術的に解決をする責任が、掘る側にあるというふうに思っています。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(記者)

 それは、期間的な限定とか、ここからここまでは戻せないけど、他は全部戻せますよっていうのもなし。

(知事)

 中は掘ってみないと分かりませんからね。ですから、出てきた水は全部戻すというふうに考えないといけないと。従って、ある程度山梨県側、ある程度長野県側、静岡県が出てきた水は全部戻すというふうな技術的な対応をされる必要があるんじゃないでしょうかね。

(記者)

 先ほど、次の回答どうなるのか、記述があるのか期待したいってあるんですけども、期待通りじゃなかった場合っていうのはまた同じようなことを繰り返すんでしょうか。

(知事)

 これは全量を戻すために、この点に関しましては、非常に大きな技術的な課題だと思います。この点はずっとこだわってきたわけですね。流量が減るっていうことはまず一番大きな問題、次は水質問題。それからまた、トンネル掘った後の残土の問題、それの監視体制の問題、生態系に与える影響の問題等々、たくさんありますけれども。まず湧水は全部戻すということでございましたから、ここでいきなり課題に直面したと。ここをクリアしなければ、掘れないんじゃないですか。そういう認識であります。

(記者)

 先ほど大きな前進があったと言った一方、湧水の問題があると思うんですけれども、今日時点で知事の中で、いわゆるゴーサインを出すに向けて、うっすらとでも視界が開けているのか、それともまだまだ全然なのか、そのへんの現段階での、どのへんの位置にいるかっていうのを教えていただきたい。

(知事)

 一体、南アルプスがどういう山なのかということについて、こういう専門家同士、あるいは技術者とのやりとりを通じて分かった面が出てきたと思いますね。ですから、このやりとりは、大きな悪影響が出る前にきちっと詰めとかねばならないことで、それがいわば科学的、技術的なやりとりになるわけですね、そうしたものがなされていないという誤解も、一部に持たれていました。今回、具体的なトンネル掘削による水はどうするかという問題が出てきましたのでね、これも科学的、技術的な問題です。なぜそこから出てくるのか、畑薙断層って何なのかというようなこともございます。畑薙断層を一応、JR東海さんが出してこられている図面では、われわれが見ている、赤崩の所より少しく上流の所で止まってますけども、あれはもう同じ、言ってみれば、すぐ下流の所ですからね。一体であると。経産省の何て言いますか。産総研ですね、そこが出されている地図があると思います。だいぶ前にこの裏も探されたときに、経産省が作られた図面がありますけど、それですと、畑薙の所まで、畑薙断層、からずっと畑薙橋の所辺りまで、ずっと同じ地層と地質として認識されておりますから。ですから、これはもう、赤崩見れば途中から水が噴出してるわけですから。これは水が出るっていうのは、そういう理由であったのかっていうのが、畑薙断層の持ってる意味合いが分かった。言い換えると、科学的な議論がようやく始まったなと。これとても大切なことですね。トンネル掘る以前の問題で、まず、どういう場所なのかっていうことについての共通認識をなるべく多くの人に持ってもらう必要があると、その面での前進はあったと思います。

(記者)

 確認なんですけども、今県境の話がいろいろ出てますけど、JR側が今後の回答であるとかあるいは専門部会の中で、山梨県側、長野県側に流れ出る水については、いろいろ技術的な方法を考えたんだけれども、やはり無理だと言ってきた場合でも、知事は、そこはびた一文譲れないというお考えなのか。全量に戻すとやっぱりそれを守ってくれないとというところで貫くのかっていうのを確認させてください。

(知事)

 はい、全量戻すこと貫きます。これは明確に、社長さんがお約束をされたということですね。そうした共通認識は、やっぱ関係者で、このやりとりしてる人は全部共通認識として持ってるわけですね。一定期間などというけど、どのぐらいですかと。100メートルなんですか、200メートルなんですか、1キロなんですかと。10キロ掘るわけですから。全部下りだけですから。掘っていけば水が出てくるに決まってます。その水で、全部掘れるところまで掘ってしまってからですね、それから、ポンプアップで戻すっていうのは、要するに戻さないってこと同じことじゃないですか。ですから、一番最初のところからきちっとしなくちゃいけないということですね。これは言ったことを、技術的にきちっと保証していくというのが、山を傷つける側の最低限の守るべき事柄であると考えております。

(記者)

 そうすると、山梨工区から掘ってきたときに、県境のとこで一回止めなきゃならんということになるかと思うんですけど。

(知事)

 そうですね。もちろんそれぞれ、あるいは山梨県の静岡県側に来たところで、そこでいろいろな装置を造らなくちゃいけないとなれば、山梨県側で止めて、そして、静岡県に戻すということをしないといけないと思います。

(記者)

 分かりました。もう1点、先ほど国交省の森室長がいらっしゃって、今回いろんな問題が明らかになったっていうところは、森室長がいた、立ち会ってくれたっていう効果があったというふうにご覧になってるという解釈でよろしいですか。

(知事)

 はい、やはり、もともとJR東海さんは、秘密裏にっておかしいですけど、クローズな形で各委員の先生と意見交換をしたいという、そういう方だったんですよ。私はそれをゆめもなく退けました。何しろ、委員の先生には公費を支払って、忙しい時間やってもらってると、それもやりとりは全部知らなくてはいけないと。JR東海さんの言い分、それから専門の先生が言われるいろんなご指摘と、こういうものは何のためにあるかと、学問の世界は全部公共のためにありますから、これは全員が分かるように質問し、分かるようにお答えにならなくちゃいけないということで、意見書に対してご質問があるということがありますので、意見書はわれわれ全体でまとめたものですから、われわれも読んでるわけですね。記者さんも読まれてる。ですから、それに対してどういうご関心があるのかっていうのは、大変関心のあるところで、そこに、早速、石井国交大臣のご配慮によって、国交省鉄道局の、防災関係の担当室長さんがお越しになったというのは、非常に大きいです。これも言ってみれば、もう完全に第三者ですから、鉄道局というのは基本的に推進するお立場というと言い過ぎかもしれませんけれども、それ容認したお立場ですからね。何が問題かっていうことを、鉄道局は知らなくちゃいけなかったし、そして、当事者は、それについて、言い合うっていうんじゃなくて、お互いに知識と見解を知るということがあって、国に申し入れたわけですからね。大きいと思います。

(記者)

 はい、ありがとうございます。

(記者)

 よろしくお願いします。すみません、今のリニアの続きなんですけれども、具体的な議論ができたというふうにある程度評価されたと思うんですけれども、特にJRが出してきた部分で、ここの部分が特に評価できる、これが具体策が出たのがよかったというような評価ポイントがあれば教えてください。

(知事)

 いえ、私まだそこまでいっておりませんで、取りあえず一番大きな問題になっていた畑薙断層というのがですね、新しい知見として入ったと。

 これは要するに、JR東海さんのご認識によれば、そこから水が出ることは確実だとおっしゃってるわけですね。

 それは、静岡県内にかかってるわけです。ここのところはどう戻すかって。一番最初に、トンネル湧水を全部戻すということについての最初の技術的課題が出てきたと。これほど具体的なことはないんじゃないでしょうか。

 もともとトンネルの湧水は、出てきた分だけ戻すってことだったんですけど。しかし、湧水は全量戻すと。その全量問題が一番最初のトンネルの掘削口のところで、最初からあるということが分かったのは、具体的ではあると思います。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(記者)

 なるほど、その課題が出てきたっていうことに対して具体的だというふうに評価したわけであって、JRがお話になったことで、ここが具体的な対策として評価できるというものは特にない。

(知事)

 これから、彼らは、これまで出されてるやつは案でしょ。回答案ですよね。案として回答になってないっていうのが委員の先生方の考えで、それで、どういうところ問題ですかということを、彼らが聞いて、そして委員の先生方が具体的にそれぞれ指摘された点を丁寧に説明されたということですね。

 差し当たって、お答えになってますけども、これは最終的な正式の回答案ということではなくて、それを持ち帰ってこれから技術的にも検討して、正式な回答案としてオープンな形で皆さんに見せられると。

 そしてそれをベースにして、専門部会を開くという、こういう段取りですよね。ですから今、途中経過だというふうに思っております。

(記者)

 リニアの関係です。JR東海は9月上旬にもという形で回答を出すということなんですけども、その回答の部分に、今回の両県県境のですね、出る水について、どういうものを知事ご自身も求めてますか。これは中間意見書にも書いてありますけども、それは技術的にクリアにしたものを出してほしいのかどうなのか。

 また言葉の話になりますけど、中間意見書っていう「中間」と入ってますよね。それも含めた話なのか、それどういうことなのかっていうのも含めて教えてください。

(知事)

 取りあえず、技術的な課題が出てきたことは間違いありませんね。繰り返しますけれども、この流量の問題、水質の問題、それから、置き場の問題、監視の問題等々ございます。たくさんの質問項目があって、そのうちの大きな関心は、流量が失われると。毎秒2トン失われると。どうするんですかっていうところだったですね。

 ですから、この問題が実は、この畑薙断層、それからトンネルの湧水については、山梨側に流してしまうと、これは、通常トンネルを掘れば必ず水が出てきます。そういうレベルの話ではないんですね。

 大井川の水源全てすっぽりと南アルプスにございますものですから、これを全部戻すという、そういうこととしてわれわれ受け止めたわけです。その課題が最初に出てきたということですから、これについての回答はきちっとしなくちゃいけないでしょ。

 ただし、他にもたくさんの質問項目がございます。そして、それぞれ専門の先生がいらっしゃいます。技術的な問題と、さらに地質についてのやりとり、ボーリングをどうするかっていう問題。それから生態系。例えば、水が汚れると。水質の問題もちょっと聞いてるわけですけども、塩素でちゃんと消毒すると、今おっしゃったわけですね。

 それは人間に影響ないと。確かに私ども水道で塩素が入っているのを知っておりますけれども、だけどそこに生きている、生態系の構成してる動植物についてはどうかと。こうしたものは岸本先生が出されてるわけですね。

 こうした事柄っていうのは、今までJR東海さん、直面したことなかったんじゃないかというふうに思います。それからまた自然環境それ自体が、観光の資源になるんだというご認識を先生が示されて、自然、トンネル掘ると環境がですね、両立させる方向についても、委員の先生言われてますね。きちっとその調査をしながらやっていくことによって、結果的にその自然についての理解が深まることを通して、それ自体が観光資源に転化していくんだというようなご意見もあって、こうしたやりとりというのは、誠に興味深くて、もう徹底してやっていただきたいと。そして、この中間意見書というのが最初に出された公式の、言いっ放しじゃなくて、活字になったもので、本当はそれに対して活字で返さないといけないと。目下のところは返ってきていないと。

 返ってきたものについて、今度専門部会として、またこれオープンで、今度はどなたが来てこられるか知りませんけど恐らくレベルの高い人が出てこれるんじゃないかというふうに、国の方からですね、予想しておりますけれども、本格的なやりとりが始まったばっかりと。ですから、本当の技術的な問題が、全てそこで解決されるというふうには思っていません。

(記者)

 ありがとうございました。




記者質問:静岡市清水庁舎の移転

(記者)

 リニアとはちょっとまた違う話なんですが、静岡市のことなんですけれども。先日、清水庁舎の移転のことについて、静岡市の田辺市長が、移転の議案それから建設費を盛り込んだ補正予算案を提出する方針を示したわけなんですけれども、これについての感想といいますか、一方で反対する市民グループなどは、反対ですとか、不安というか、そういった市民の声に市は耳を傾けていないというふうに訴えていたり、あるいは住民投票という話も出てきていますけれども、こうした一連の動きについて、知事として今どんなふうにお感じなのか、ちょっとその所感を教えていただきたいです。

(知事)

 やはり、清水の浸水域に病院を建てると、そのためには区役所を壊さんといかんと。それからまた、区役所また新たに建てなくちゃならないという問題は、前回の選挙でも大きな争点ではなかったかと思います。そして、不安を感ずる市民の方が多くて、清水では半分以上の方たちが、今のままでは具合が悪いということだったわけですね。それに対して、市長候補、現在の市長さんは、きちっとご説明をして、市民合意の下にやっていくというような姿勢を示されたと思います。

 選挙が4月の上旬で、もう5月、6月、7月、8月も下旬ですから、だいぶ時間がたちました。この間、そのようなやりとりがあったのかどうか、確認して知りません。1回やろうとして流れたというようなことも聞いておりますけれども。

 ですから、これはまず、市長自らの公約ですから、虚言っていうふうに言われないように、有言実行で、市民と胸襟を開いて、市民のためにやる政策のはずなので、市民の合意を得るというのは、もういろはですね。住民投票みたいなところが持って行く前に、まずは自ら市民の間に入っていくというふうにしていただきたいと思っております。

(記者)

 そうすると、市長からその選挙のときに言った市民合意の下という約束といいますか、それは果たされていないというような認識ということでしょうか。

(知事)

 市民の方の、市長に対する質問書というのでしょうか、抗議文読みましたけど、果たされてないと書かれておりますね。ですから当事者の方たちは、そう思ってらっしゃるということではないかと思います。

(記者)

 はい、分かりました。ありがとうございます。

(記者)

 関連の質問なんですけども、今記者さんのお話にありましたとおり、反対派の住民からは、住民投票を求める要望書を田辺市長宛てに提出されました。住民投票を実施することについて知事のお考えを。

(記者)

 やはり、清水区の区民の意見というのが市政に十分に反映されてるかどうかっていうことについては、反映されてるっていうふうには言い切れない面があるように思います。葵区と、駿河区と、清水区、それぞれ区としての性格が違いますね。特に清水区っていうのは旧清水市ですから、そこは独自の文化、歴史を持っています。しかも疲弊してますね、今。いろんな人が出ていったり、施設が出ていったりしてるわけです。

 そこで、市として区役所建てるとか、新区役所建てるとか、病院を建てるとか、水族館を建てるとか、いろいろ出てきているわけです。これがどういう手続きで行われてるのかっていうことについて、清水区民の方たちがもう十分に納得した上でやられてるのか、それとも何か突然降ってきた、降って湧いたような形で出てきているのかというと、どうも後者の方なんですね。印象が拭えないということがありまして、ですから、ここはそのような声があるんだということを、市当局は特に、そういう政策を自ら出して決めているということであれば、説明しなくちゃいけないと。

 仮に誰かのためにやってるとなれば、それが例えば議会が隠れみのになると。そうすると、壊すのにもお金かかりますよね、建てるのお金かかりますね。しかも浸水域に建てるわけですから、かなり強固にしなくちゃいけません。誰のためになるんでしょうか。少なくともそういう事業に関わる人の利益になるでしょうね。そういう人たちのためにやってるとすれば、大問題です。ですから利権が関わっていないことを祈ります。

 そして一般市民のために、病院も区民もまさにそのためにあるわけですから、そこのところは、区民がここにできて喜ばしいというふうにならないといけないと。

 今日もたまたま防災訓練やったじゃないですか、清水区では5メートルの津波が来たという想定です。全体で1万6千人の人的被害が出てるという、25時間たってですね。そうしたようなことを想定して、また9月初めにもこれは実働の訓練もします。今日は、例えば下田あたりだと10メートル以上の津波が来たとか、熱海では市役所の機能がなくなって対策本部が立てられない。牧之原でもそうだとか、そういう極めて深刻な事態ってのは、われわれ想定しながらやってるわけですね。ですから、あまり自然をなめない方がいいというふうに思いますね。ですから、この間の全国知事会で、南海トラフ巨大地震に関わる10県知事会ってのがあるんですよ。これも10回ぐらいやってるんですけれども。浸水域にあった病院を高台に移したと、どこかの知事さんがおっしゃって、静岡県ではこういう件については先進的であるということで、見習っているとおっしゃってましたけども。全体がそういうイメージがあるにしても、一部でこういうそれと反する動きもあるので、ですからここは防災問題というのは東日本大震災ほか、台風とか何かもう、今、日本をですね、平成の時代は災害の時代だったという総括をされる方もいらっしゃるぐらいですから、ここについてはもうぜひ市民の安心と安全を図るように、市民の代表は心掛けていただきたいというふうに思っております。

(記者)

 県では、そのためには住民の意思を問う住民投票をすべきだというふうにお考えになりますか。

(知事)

 住民投票に至る前にね、そういう話し合いをするのが一番望ましいと思いますけれども、住民投票、恐らく反対意見をですね、つまり区役所の解体だとか区役所の移転についての疑念があるので、それを住民投票で問いたいということでしょ。だから直接民主主義でありますよね。ですからこれは、清水区民の人たちの紛れもない懸念なわけです。この懸念に対しては、やはり正面から答えると。それから言ったことは守るということですね。

 最初の100日間で全部やるとおっしゃってたじゃないですか。ですから100日を超えました。ですから、今は四捨五入して約100日以内ということで、9月に提出するっていうのは、なぜ急ぐのかという疑念は拭いきれないということであります。




記者質問:日韓関係、中部横断自動車道

日韓関係

(記者)

 すみません、ちょっとまた話が変わってしまうんですが、昨日韓国がGSOMIAを破棄すると発表したことについて2点お伺いします。1点は県内でも行政、経済さまざまな交流がある中で、この破棄したことについて発表したものについて知事の受け止めこれが1点と、もう1点は韓国とのさらなるの関係の悪化が懸念される中で、今後、そうした状況になったときに県として韓国関連の企業、例えば行政で人材交流をちょっといったん中断するとか、そういった対応などについてもし考えていることがあれば教えてください。

(知事)

 はい。今回GSOMIAが一方的に破棄ということで、多くの人々が衝撃を受けたんじゃないかと思いますね。日米韓は一体だというふうにずっと想定した上でのことが崩れたわけですから。ですから日米同盟はこれまで以上に強固なときはないと。それは韓国も入ってるわけですね。北朝鮮、あるいは場合によっては中国も視野に入れた、ロシアも視野に入れてですね、日米同盟というものがあったわけですが。そうした中で一角が崩れつつあるわけですね。ですからこれは一種の失敗というふうに総括できるんじゃないですか。

 それから地域でどうするかっていうことですね。国と国との関係っていうのはいわば首相、大統領の個性にも関わるところがあると思います。イ・ミョンバクさんのときもそうでした。必ずしも日本のトップと、折り合いがいいとは言い切れないところがあったんですね。ですから竹島に上陸するとかということもあったわけですけど。ではそれにわれわれ影響されたかと。全く影響されてません。つまり地域外交というのは何のためにあるかと。あるいは外交というのは何のためにあるかと。これは戦争しないためにあるわけですね。つまり人々が生活とか命とかこれを奪われないためにあるわけです。

 ですから、私どもは韓国にも竹島問題で揺れてるときに行くとか、あるいは尖閣諸島問題で揺れてるときに、先ほどの卓球で、言ってみれば来るなっていう、そういう逆風が吹いてる中で、あなたが来てもきちっと応接できないと言われたわけですね。で「構わない」と。「だけど交流したいっていう人がいるので、そのうちの1人として行きます」と。それは結果的にどうしようかということで、その場での思い付きですけど、「ピンポンでもやりませんか」と言ったら、ピンポンならやりたいわけですよね、向こうが。結果的にそれが今回4回目につながったと。

 それで浙江省と静岡県の関係は、言ってみればモデルだというふうに言われてる。それは、すごく大きな財産なんですよ。中国にとっても日本にとっても。同じように、われわれは忠清南道との関係を一度として、それをこちらの方から国の動きに連動させたことはありません。それからまた、今よりももっと大きな悲劇がかつてありました。

 それは豊臣秀吉軍がいわば宣戦布告なしの形で、当時はもちろんそういうルールはありませんけども、他国に侵略したわけですね。その結果多くの人命が失われたわけですね。その回復は大変だったと思うんですよ。その大変だったことを記念するためにですね、大変だったことを克服したことを記念するために1607年6月20日にですね、こちらで韓国の使節を家康公が歓待されて、それが朝鮮通信使になったということで5年間、もう6年ですかね、毎年ですね、お茶会やってるわけです、清見寺で。何と90を超える大宗匠の千玄室さんが来て、自らお茶を立てられると。徳川の第18代のご当主も来られるというふうなことをしてですね。で、この間は韓国大使が来られた、今年はね。前回は韓国の元首相が来られました。ですから、こういう平和の交流をしたいという気持ちの人はいらっしゃるわけです。全てが全て文大統領じゃないし、全てが全て日本政府と同じ気持ちを持ってるわけじゃない。日本人は1億2千万いますから。ですからわれわれ静岡県は、そういうその「和をもって尊しとなす」と。令和ですね、麗しく和すという。

 こうした精神に戻らないようにするというふうにして独自の、何て言いますか、平和づくりに過去10年間やってきました。この姿勢は全く変わりません。

中部横断自動車道

(記者)

 すみません。先ほど中部横断自動車道の話が出たので、その点について伺いたいんですけれども。中部横断自動車道の開通なんですけど、夏ごろとされてた部分開通の部分が11月というふうにちょっと先延べになりまして、これちょっと地質の関係か先延べが相次いでますけれども、これ来年夏に来年中の全線開通と期待するとかなり大きいかと思うんですが、その延期も含めて、期待と不安とどういうふうに感じてらっしゃるかっていうのをお願いします。

(知事)

 そもそも、今これはもう本来の予定ですと開通してるんですね。去年には開通しなくちゃいけなかったわけです。かと言って、今遅れてることについて、誰かが文句言っているかっていうわけです。あのとき森山トンネル、今森山トンネルと言われている所で重金属が出ました。それから樽峠、5キロのとこですね、そこで壁が、ひびがいったわけですねトンネルの壁に。水が出ました。それから軟弱土質に一部ぶつかったというようなことで、どうしても前に進めないということだったわけです。それ見に行きました。渡しようがないということで。それに対して誰も文句言った人はおりません。今回は富沢からこの南部町の道の駅の辺りまでは、それなりに行けそうなんですが、そこから下部温泉早川の所までの側壁の所が、非常に崩れやすい地層であるということが分かって、ここをきちっと手当てをしないと前に進めないということで、もういかにももっともだということで、安全に気を付けてなるべく早く中部横断自動車道の開通を進めてくださいということを申し上げました。それ以上でも以下でもないということですね。




記者質問:日韓関係

(記者)

 すみません先ほどの外交の話なんですけれども、一種の失敗として総括されていくのではないかというふうにおっしゃったんですけども、これは韓国が今回破棄したことを、行為に関して失敗とおっしゃったのか、それともアメリカ含めた日韓関係を築いていくといういろんな国の試み自体が失敗してしまったという意味だったのか。

(知事)

 安部さんのアベノミクスは、評価が分かれてますね。貧富格差も拡大してるし、いわゆる貧困家庭ってのもあります。日銀だけが大多数の企業の株を持って、大株主になってるわけですね。これは健全と言えないでしょう。しかし外交については、地球儀を俯瞰する外交ということで、いわば一種の安倍政権の売りだったんじゃないですか。しかしTPPでつまずき、そしてこの一番重要な安全保障面について、アメリカも困る、日本も困るということですから、真ん中に入ってる日韓関係は何とかちゃんとやってほしいというのが、アメリカの期待だったんじゃないですかね。それが結果的に、日米韓の紐帯(ちゅうたい)が崩れまして、それで喜んでるのはこの紐帯(ちゅうたい)の目的、すなわち大陸に対する備えが緩まったということですね。これは決して成功と言えないでしょう。

(記者)

 ちょっと追加で、静岡空港の方が今後、韓国便の利用者減とか便数の減とかを懸念しているんですけれども、もしこういう事態が起こった場合、県としてどんな手が打てるでしょうか。

(知事)

 はい。私どもは来るもの拒まず、そして行ってもらってもですね、例えばソウルではなくて、できれば百済の遺跡、特に武寧王ですか、遺跡など素晴らしいものがあるから、修学旅行でも通してやっていただきたいと。この間、チェジュ航空の社長さんがお越しになって、極めて厳しい日韓の影響を受けて減便せざるを得ないと、非常に苦しい胸の内を訴えられました。ですから私も、彼の立場に立てば本当に気の毒だなと思う。だからどうしたらいいかなということで、修学旅行やあるいは百済、忠清南道と静岡県でできる何か一緒に考えましょうと。すぐにはその答えが出てこなかったんですけれども。ただ静岡空港全体として見ればですね、発展してますので。何が起こるか分からないというのは天候と一緒です。いつ災害が起こるか、東日本大震災、それで風評が出て、来れないとかですね。

 それから日中関係とか日韓関係が冷え切るから、というようなことが起こっているわけですけども。そうしたこととは別に、静岡県はいわば「スーパーランドスケープ・リージョン」、絶景リージョンですからね。見たい人がいるに違いなくて、どなたも差別しないといいますか、そうしたお越しになる方に対しては温かく迎えようという、そういうことで方針は一貫しているわけですね。それは必ずいずれ通じるというふうに思っています。例えば、南大使、今度変わられましたね、韓国の。彼は今回お茶会に来られてすごく気に入られて、静岡県大好きになって、結果的には観光に利用されたわけですけど、そういうことってあります。ですから日本人全部一枚岩ではありませんのでね。静岡県は「平和のとりで」ということであります。SDGsという最近の言葉もありますけれども、ジェンダーフリーで、貧困やあるいは敵対関係を解決する方向に常に姿勢を固めているということで、浮き沈みは世の常と。空港についても搭乗率の上がり下がりもしょうがないと。それから空港の便数の伸びたり減ったりするのもですね、これ相手の事情があることなのでそこはあんまり責めませんけれども、できるならば一緒に努力してですね、交流を盛んにするようにしていきたいという姿勢で一貫して臨みます。

(記者)

 今の韓国のことで1点なんですが、自治体同士の交流で、市町の方では韓国側の市町の市長会みたいところで、日本になるべく行かないようにというようなお達しが出たというような話を聞いています。忠清南道の方からは、静岡県との交流について何かこの間言ってきたりとか、ここはちょっと行きたいんだけど行けないとか、そういうようなことっていうのがあったんでしょうか。

(知事)

 ありました。忠清南道の知事さんが、ヤン知事さんが日本との交流を控えるようにと。つまり忠清南道の道民の方たちにですね、言われたっていう、そういう報告を受けてます。気の毒だなと思ってるんですよ。そう言わざるを得ないような状況に置かれてるんだと。それは前のあの浙江省のときもそうでした。もう何しろ日本の首相が国有化したわけでしょう。それにものすごく反発して、中国さん。ですからもう行くな来るなっていうそういう状況だったと、そういう圧力はありましたけど。それは関係なしに行ってるわけです。で今、忠清南道の方にそういう圧力が、韓国政府の方からかかってるということは、熟知しています。

(記者)

 具体的にそれで交流が中止になりそうなものとかありますか。

(知事)

 どうですかね、それは聞いてません。向こうから来る予定があったものが、駄目になったのかっていうのは。

(地域外交課長)

 ございません。現状はございません。

(知事)

 一応政府の指示をですね、知事さんが言われたのではないかというふうに考えておりますけど。

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